AMステレオ放送

- 2013.05.04

AMステレオ放送は、日本では1992年3月に臨場感あふれるAM放送ということで開始され、各地のラジオ局が次々とAMステレオ放送に対応していきました。また、AMステレオ対応ラジオも次々と販売されました。
しかし、今、AMステレオ放送が聞けるラジオもほとんど販売されておりませんし、AMステレオ放送は終了の時期を迎えつつあります。

これまでAMステレオ放送を実施してきたAMラジオ局は、送信機の更新時期を迎え、AMステレオ放送に必要な装置が生産が終了したことから、ステレオ放送を行うための設備を維持することができなくなり、AMステレオ放送を終了し、順次モノラル放送に戻してきています。

現在(2012年6月30日現在)AMステレオ放送を実施しているAMラジオ局は、ニッポン放送、CBCラジオ、ラジオ大阪、和歌山放送の4局のみとなりました。
これらの局もモノラル化するのも時間の問題でしょう。
AMステレオ放送も聞き納めとなりそうです。

AMステレオ放送局

AMステレオ放送を行っているAMラジオ局
地域ラジオ局送信局周波数(出力)
関東ニッポン放送東京1242kHz (100kW)
東海CBCラジオ名古屋1053kHz (50kW)
近畿ラジオ大阪大阪1314kHz (50kW)
近畿和歌山放送和歌山1431kHz (5kW)

最近のAMステレオ放送終了局

・毎日放送(MBSラジオ)  2010年2月28日終了
・北海道放送(HBCラジオ) 2010年2月28日終了
・朝日放送(ABCラジオ)  2010年3月14日終了
・STVラジオ        2010年3月28日終了
・RKB毎日放送(RKBラジオ) 2010年5月30日終了
・TBSラジオ        2011年1月30日終了
・中国放送(RCCラジオ)  2011年3月13日終了
・山陽放送(RSKラジオ)高梨局 2011年3月20日終了
・山陽放送(RSKラジオ)岡山局 2011年3月27日終了
・文化放送         2012年2月5日終了
・東海ラジオ        2012年5月13日終了

AMステレオ放送の歴史

日本では、1992年3月15日からAMステレオ放送が東京・大阪の民放局で開始されました。
AMステレオ放送の研究は、古くから行われており、1926年にアメリカ電信電話会社のP.K.Potter氏が直交変調方式のAMステレオ方式の特許をとっています。
その後アメリカでは、AM放送がFMステレオ放送に押される中、AMの生き残りをかけて検討が行われましたが、AMステレオ方式(ベラー、マグナボックス、モトローラ、カーン、ハリスの5方式)が一本化されず市場原理に任せることとして、1982年にはカーン方式によるAMステレオ放送が開始されました。以来、AMステレオ放送方式の市場競争が展開されましたが、その後モトローラ方式を採用する放送局がほとんどとなりました。
日本での中波ステレオ放送は、1952年12月にNHKがラジオ東京第一放送と東京第二放送の2つの電波を使って右信号と左信号をそれぞの放送で送信して、立体放送「土曜コンサート」の番組(東京地域のみ)で放送したのが始まりです。その後、全国で2波放送によるステレオ放送が実施されましたが、FM放送の普及もあり1965年で終了となりました。
2波によるステレオ放送は、放送局(演奏所)から送信所までの距離、伝送路の位相遅延特性の違いなどから、左右の信号に位相差が生じ、音源が頭の周りを回転するように聞こえることがあったようです。

1962年頃より、民放各社やNHKにおいて1波によるAMステレオ放送の実験が行われ、BTA(放送技術開発協議会)の実験調査報告が郵政省に提出され、その後1991年4月に郵政省電気通信技術審議会が3年にわたる検討結果を取りまとめ、モトローラ方式による「中波ステレオ放送に関する技術的条件」を郵政大臣に答申しました。この答申を受けて、1992年(平成4年)1月16日に電波法省令が改正され中波放送の技術基準が施行されました。

同年3月15日にAMステレオ放送が、東京放送、文化放送、ニッポン放送、朝日放送、毎日放送の5局により開始されました。さらに、九州朝日放送、RKB毎日放送が同年4月1日から、中部日本放送、東海ラジオ放送が同年4月4日から開始しています。
なお、NHKでもAMステレオ放送の検討は行われたようですが、既にFMによるステレオ放送を行っていることや、全国の送信設備をAMステレオ放送に更改するためには莫大な費用がかかるため実施されませんでした。

AMステレオ放送対応ラジオ

AMステレオのマーク 1992年のAMステレオ放送開始時にはステレオ放送が聴けるラジオは、ソニーSRF-M100(オーディオカセットサイズ)、アイワCSD-SR80(ラジカセ)、CR-D60(名刺サイズ)の3機種しかありませんでした。
その後、各社からAMステレオに対応したラジオ、チューナーが次々と出てきましたが、その後各社とも製造を止めてしまいました。現在販売されているのは、パイオニアのチューナーF-D3のみとなっています。

メーカー機種名概要
ソニーSRF-AX51Vアナログチューニング方式TV/AM/FMステレオポケッタブルラジオ 販売終了
SRF-AX15アナログチューニング方式AM/FMステレオポータブラジオ 販売終了
SRF-A300アナログチューニング方式AM/FMステレオ ホームラジオ 生産完了
PanasonicRX-FT53AMステレオ放送対応ダブルラジカセ 生産終了
パイオニアF-D3AMステレオ搭載FM/AMデジタルシンセサイザー・チューナー
ヤマハTX-492FM/AMステレオチューナー 生産終了

AMステレオ放送の受信

キクチラヂヲ堂にもAMステレオ対応ラジオが何台かありますが、それで関東地方唯一のAMステレオ放送となったニッポン放送(1242kHz)をステレオで聴いています。

SONY SRF-A300
SRF-A300

PIONEER F-777
F-777

2005年、AMステレオ放送を実施しているラジオ局が全国にまだたくさんありました。当時、ラヂヲ堂のAMステレオ対応のパナソニックRF-HS70でAMステレオ放送を行っているラジオ局のステレオ遠距離受信にチャレンジしました。受信には外部アンテナは使用せず、内蔵のバーアンテナのみで行いました。

(2005年11月7日 22:00~22:30 @川崎市)
ラジオ局周波数(出力)SINPOステレオ
HBCラジオ1287kHz (札幌:50kW)43333
STVラジオ1440kHz (札幌:50kW)受信不能 
TBSラジオ954kHz (東京:100kW)54444
文化放送1134kHz (東京:100kW)55544
ニッポン放送1242kHz (東京:100kW)55555
CBCラジオ1053kHz (名古屋:50kW)43443
東海ラジオ1332kHz (名古屋:50kW)54444
ABCラジオ1008kHz (大阪:50kW)44433
MBSラジオ1179kHz (大阪:50kW)44433
ラジオ大阪1314kHz (大阪:50kW)44433
和歌山放送1431kHz (和歌山:5kW)受信不能 
山陽放送1494kHz (岡山:10kW)33333
中国放送1350kHz (広島:20kW)44433
RKBラジオ1278kHz (福岡:50kW)33333
KBCラジオ1413kHz (福岡:50kW)受信不能 
熊本放送1197kHz (熊本:10kW)受信不能 

夜間の中波遠距離受信により多くのラジオ局がステレオで受信できました。

RF-HS70 RF-HS70はポケットラジオのため、ステレオイヤホンでステレオ受信します。デジタルチューニング方式なので受信したい局に合わせるのが大変楽でした。
遠距離AM局のステレオ受信ではフェージングがあり、受信強度が強いときだけステレオ受信できるといった不安定な状態でしたが、それでもステレオマークが表示され音声がステレオで聞こえたときは感動ものでした。

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